「刑事7人」の録画がCMスキップできない!

「生涯テレビマン」宣言したくせに、生涯で初めてプライムタイムのドラマ初回を(ほぼ)全部見た。

“ほぼ”というのはテレビ朝日系「女たちの特捜最前線」とフジテレビ系「営業部長 吉良奈津子」が7月21日スタート。テレビ東京系「ヤッさん〜築地初!おいしい事件簿」が7月22日スタートだから。

 

35年間のテレビ局員生活で手がけた番組はお笑いとニュース・報道だけ。ドラマにはほとんど興味なかったし、平日は残業・夜回り・会食で夜中まで帰宅しないこともしょっちゅう。こんな生活、自分だけじゃないから、テレビマンは世の中でもテレビを最も見ない職種じゃないかと、独立してから改めて実感する。

 

しかし独立してテレビメディアを語るのだから、まず番組を視聴しなければと一念発起し、今クールの連続ドラマを片っ端から見た。といっても生は1本のみ。あとはDVR。録画し忘れたのはTVer。無料配信もない場合は某TVODのお試し無料でなんとか11本(ノンプライムは除く)を全部見た。

 

感想=「苦痛!」。普段ドラマを観るための耐久性が備わっていないので苦しい。また、2話目が始まる前に見ると自分に決めたものだから、切羽詰まって夏休みの宿題みたいに追い込まれてしまい、後から見る番組ほど集中力が途切れていく。

 

そんな中でも「次も見たい」と最も思ったのは火曜22時「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」。異常な記憶力で事件解決に取り組む女性刑事が主人公で、普段は決して”できる女性”感を見せない波留のキャラクターが良い。内藤了の原作読んでいないんで比較できないけど、脚本も演出も飽きさせない良い流れになっている。「なんだ、フジテレビでもこんなドラマ作るんだ」と感心してたら火曜10時。関西テレビでした(笑

 

てな感じで他のドラマも評論しようと思っていたら、昨日再生した「刑事7人(第2シーズン)」が驚いた。中身で驚いたのでは無い。第1シーズンからよくできた作品だけど、ある意味予想通りの東映刑事ドラマだ。驚いたのはCMスキップができないこと。再生を始めると表示されるタムライン上にスキップチャンスが3回しか無い。「若いやつ見ねーだろうから売れてねーのかなー」なんて思いながら、CMに入ったタイミングでスキップボタンを押すとなんと次の本編も飛んでしまう!慌てて戻して再生するが、CMが本編と同じ扱いになっていて早送りはできてもスキップはできないのだ。

ちなみに我が家のDVRはイッツコムのセットトップボックス。メーカーはパナソニック。別に特別なものではない。

 

ビデオリサーチでは、この10月から関東地区を手始めにリアルタム視聴率に加え録画視聴も測定対象に加える。

http://www.advertimes.com/20160118/article214435/2/

米より何年も遅れてようやっとのスタートだけど、これまではDVRのCMスキップが大きな壁だった。

ちなみに米ではテレビ局が「CM含めた番組の同一性侵害」で訴訟起こすなどしており、最近までリモコンにスキップボタンはなかったように記憶している。

 

テレビ朝日がどうしたからくりでスキップを阻止しているのかわからない。が録画視聴、ひいてはオンデマンド視聴も含めたトータル視聴にビジネスモデルを変えていくなら画期的な仕組みだ。よく知ったような口を聞くメディア評論家は「強制的にCM見せようなんてユーザー目線ではない」なんて言うが、人間与えられた環境の中で最もリーズナブルな方法を選択するものだ。録画にせよ配信にせよ、有料より無料の方がいいに決まってるし、CMスキップできないからドラマの再生を止めるというものでもない(自分でやってみたからよくわかった)。早送りしてて、面白いCMなら思わず通常再生したりもする。

 

技術の進歩はイタチごっこだから、この先これを克服するDVRが出てくるかもしれない。その時には全ての番組が放送と同じCMつけて配信されている状況になっていることを願っている。